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オックスフォード物語 第6話 リーディングリスト

 リーディング・リストは各科目ごとに配布されます。毎週、指定の本、論文、を読み、ディスカッションに備えます。GGDの1科目のリーディング・リストは、通常5~7本の論文、1週間あたり100~150ページ程度です。1週間に4科目あるので、週400〜500ページ+αの読書量をこなす必要があります(修士課程によって求められるリーディング量は全然違います)。
 2時間の授業でのうち、前半は講義、後半はディスカッションをするという流れ。とにかく、GGDコースのリーディング・リストは膨大ですべて読み込むのは不可能です。ネィティブ・スピーカーでも時間が足りなくなって読みきれないという量で、日本人としては、かなりキツイですよね。そこで、GGDコースは5人毎くらいのスタディーグループを作り、リーディングリストを分担してなんとか全部をカバーしていました。例えば、論文10本であれば、一人2本ずつ読み、要約を作成してグループ内に共有することをしていました。天才肌の人や一匹狼タイプの人は自分で全部やることを選択することもできます。勉強法は人それぞれなので、自由に勉強できます。
 オックスフォードのGGDに入学する人は、今迄、勉強を真剣にしてきた人が多く、既に勉強法を確立している人もいるので、好きな方法を選びましょう。私は基本的には一匹狼でマイペースに勉強するほうが合っているのですが、GGDについては、他の学生と協力して分担することをおすすめします!最初は、一人でできると思ってましたが、途中で限界を感じ、スタディ・グループに入れてもらいました。時間にも余裕ができ、読む「作業」ではなく、中身を理解することに集中できるようになったので本当に助かりました。わからないことがあれば、グループ内の友人に聞いたり、チューター(Tutor) に相談したりしていました。とにかく、周りの人を巻き込みましょう!評価は相対評価ではなく、絶対評価ですので、協力するのがベストです。人に助けを求めるのが、苦手でしたが、この修士課程を通じて、必要であれば、助けを求めることを覚えました♫

 リーディング・リストは全部読む必要はありません。流し読み程度でいい部分と、ゆっくりメモを取りながら読むべきポイントがあります。また、中間試験のような位置づけでエッセイの提出が定期的にあります。筆記試験は制限時間内にエッセイ3本くらい書く形式です。なので、筆記試験の練習だと思ってエッセイには真剣に取り組みましょう。エッセイの材料になりそうな点、例えとして引用できそうな部分、議論に用いられる概念やコンセプト等についてはしっかり 押さえましょう。ディスカッションで用いられる概念がそもそもわからない!となると議論に参加することも、ついていくこともできません。Study Smartを意識してこなせるといいですね。メモは手書きではなく、ノートパソコンにメモるのをおすすめします。私は最初は手書きで勉強していましたが、時間がかかりすぎる(汗)。途中から、パソコンONLYにシフトしました。エッセイ提出もオンライン提出ですので、パソコンにデータがあったほうが何倍も早く作業がはかどります。作業の時間はなるべく少なく、思考を深めることに時間を費やしましょう!

① スタディー・グループに入り、リーディング・リストを分担する
② 手書きではなく、ノートPCにメモをとる(エッセイで引用することを念頭)
③ テーマ、概念、事例を中心によむ


 そういえば、リーディング・リストを全部読まずにディスカッションで発言する部分の内容だけを読み込んでいたり、理解できないコンセプト1つを深掘りして質問をしている学生がいました。その学生は、みんなの要約を読んでわからないところだけ、自分で読み込む。知りたいことを取捨選択して網羅的に吸収しようとはそもそもしていないと言っていました。筆記試験は8問くらいある問題の中、自分の好きな3問を選択し、エッセイを書きます。筆記試験で好成績を取ろうと思えば、興味ない分野、理解できそうもない概念については捨てることもアリです。関心のある分野を深ぼることを推奨しています。
 ちなみにですが、私は真面目に全部やろうと思っていました。かなりきつかったです。学期中は毎日10〜12時間くらい勉強していました。人生で一番勉強したと断言できます。ただ、study smartは非常に大事です。先程、例に出した学生は最優秀学生として卒業していきました。頑張る方向を間違えると誰より必死に頑張っても、結果は普通となりかねません。ゴールを明確に、効率よく、勉強するとビックリするくらい効果抜群です。ちなみにですが、余裕のある学生はリーディング・リストに乗っている論文以外の論文で役に立ちそうな論文を授業中に紹介したりしていました。これをすると加点になります。授業に貢献、みんなの勉強に貢献することが評価の対象しもなります。一人でコソコソ勉強よりも、みんなで切磋琢磨して知的タフネスを鍛えることに意義があります。

第7話では、プレゼンテーション準備についてお話します。

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サイト運営者

大人になってから「学ぶ」ことに目覚めた和(なごみ)です。イギリスが大好きで、国内大学院では英国研究を専攻。オックスフォード大学院では開発学部のGlobal Governance & Diplomacy(GGD)コースで修士号取得。英国留学をしてみたい方を心から応援するためのブログを開始いたしました。
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留学経験:オックスフォード大学院 (リンカーン・カレッジ)
趣味:サーフィン、イギリス 映画(007、ダウントン・アビー)

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