大学院の授業はゼミ形式が多く、少人数形式の授業ではディスカッションは必ずと言っていいほどあります。ディスカッションでは、授業準備で培った知識を共有し、その知識を応用して、あぁでもないこぉでもないとみんなで頭を捻りながら課題に取り組みます。この議論の場に貢献できるようにするには、授業前の準備を徹底して行う必要があります。
準備というのは、予め配布されたリーディング・リストや課題を理解・考察しておくことです。私はこのディスカッションの時間が大嫌いでした。緊張してしまい、声は震えますし、英語間違っていたらどうしようとか、場違いなこと言ってないかなと冷や汗たらたらでした。しかし、これも慣れるとディスカッションの時間が楽しくなります。楽しいと思えたら、もうこっちのものです。
ディスカッションの準備として意識していたことは、何について議論するのか、想定される質問は何か、あとは準備中にどう応用したらいいかわからないコンセプトを把握しておくことです。ディスカッション中は、答えをもっていなくとも、「ここの理解が曖昧でよくわからないのですが、私は〇〇と理解しており、☓☓と考えますがいかがでしょうか」と発言できます。わからないところは悪いことではなく、他の学生も同じ場所で躓いている可能性があるので恥ずかしがらずに堂々と発言してみましょう。
試験だけでなく、授業への参加、貢献度が評価の対象になるコースもあります。内気な学生は不利なのではと思ってしまうかもしれませんが、社会人の方はおわかりのように発言しないと何の価値も生み出さない生産のない人というレッテルを貼られてしまいます。私は決して社交的なタイプではありません。ただ、今では「演技」がうまくなり、緊張しているけれども、そうは見えないように振る舞えるようになりました。ディスカッションに参加するぞ!という意志があれば誰でもディスカッションに参加することができます。
自信があるように振る舞えるまで、予め想定される質問を1テーマにつき5〜7個くらい考えて自分なりの答えを用意しておきます。用意した回答を私は何度もブツブツと繰り返し暗唱していました。ディスカッション中にドンピシャな質問がくればラッキー!と思い、勢いよく発言していました。最初は、暗唱したポイントだけ議論に参加という形でしたが、気づいたら即興でも発言できるようになります。塵も積もれば山となれです。
ディスカッションで一番嫌われるパターンは、長々と中身のない話をすることです!これは本当に嫌われます。深い分析ができていないまま、当たり障りのないことを言っても誰のプラスにもなりません。このような残念な人にならないためにも、準備の段階で課題に真剣に取り組み、少なくとも1つは自分の心に響く部分を見つけることをおすすめします。例えば、なるほど!と思ったところや、思ってたのと違った!など思わず、一人で勉強していても声に出してしまうことはありますよね(私はしょっちゅう独り言ブツブツ言っています)。なが〜い独りよがりな発言は好まれませんが、ディスカッションは、さまざまな意見が飛び交う場ですから、自分の考えが間違っているとか、馬鹿だと思われることを恐れる必要はありません。議論のテーマに関連する内容であれば、何らかの貢献ができるはずです。
繰り返しになりますが、ディスカッション自体に参加することは難しいことではありません。みんなを驚かせるような画期的な発言をしなければならないと思う必要はなく、自分の思考をみんなに共有するという気持ちで気楽にやりましょう。
- 与えられた資料に対して自分の意見を共有し、議論する。
- 新しいアイデアや物事の見方をグループ内で生み出す。
- 積極的に議論に参加し、質問し、関連づけ、アイデアを検証する。
- 他者の意見や見解に注意深く耳を傾ける