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オックスフォード物語 第21話 修論執筆の準備

 修論を書くといっても一人では心細いですよね。オックスフォード大学では自分の修論のテーマに精通している教授が学生に割当てられます。私はGlobal Governance DIplomacy の修論でパブリック・ディプロマシーをテーマに修論を書きました。この第一人者である教授がサバティカルで1年いないという残念な結果だったのですが、代わりにその第一任者の「弟子」がスーパーバイザーになりました。スーパーバイザーとの相性は非常に大事です。完全放置型の方もいれば、最初から最後までつきっきりでサポートしてくださる方もいます。どちらのタイプに当たるかは、運です。私の場合は、完全放置型でした。。
 修士論文には決まった型があります。文系、理系、それぞれの分野によって異なるのでコース概要で配られる修士論文執筆の項を読み込みましょう。文系の場合、まずは、取り組むべき重要な課題についての記述で始まり、結論で締めくくられます。その結論には「根拠」があり、説得力があることが必要です。「根拠」は、個人的に収集したデータ、または二次資料を用いて分析した結果などです。優秀な修論は、自分の定めた課題に対して納得のいく回答を出すのみならず、その論文を作成するために使用した方法論や理論に貢献したり、疑問を投げかけるものです。研究手法も重要な評価基準になっています。

  • 想像力豊かに文献資料を探す
  • 根拠の徹底的な調査
  • 分析の厳密さ
  • 解釈の深さまたは独創性

 修士論文を書き始める前にやるべきことを3つ挙げるとすると(1)研究すべき課題とその理由(2) 論文の概要(主要な章と節)(3) 選んだテーマに関する資料の入手可能性の確認です。研究計画は調査分析を進めていくうちに変わりますし、テーマ自体も大幅に変わる学生もいます。なので、カチッとしたものではなくとも、現時点ではこんな感じという程度で問題ありません。  
 国際政治の場合は(0)イントロダクション(1)Literature Review(2)Methodology(3)Background(4)Discussion(5)Conclusion(6)Bibiliographyで大体構成されます。12,000字の論文を書く際に色々なものを詰め込んでごちゃごちゃになることだけは避けたいので、各項目に2〜3文くらい簡単にまとめて、ストーリーが出来上がっているか、脱線してないかを確認します。
 修士論文を書き始める前にやるべきことを3つ挙げるとすると(1)研究すべき課題とその理由(2) 論文の概要(主要な章と節)(3) 選んだテーマに関する資料の入手可能性の確認です。研究目的が定まらないと、闇雲に文献を漁ることになりますので、スーパーバイザーと相談しながら、抽象的になりすぎないある程度具体的なトピックを選びましょう。例えば、「外交と広報」という抽象的なテーマではなく、特定の小国Aを例に挙げつつ、「小国Aの第2次世界大戦中の広報外交戦力とその効果」といったように修士論文12,000字で何らかの学術的な価値を見いだせそうな課題を設定します。設定した課題への回答をゴールに研究計画を立てます。研究計画は調査分析を進めていくうちに変わりますし、テーマ自体も大幅に変わる学生もいます。なので、カチッとしたものではなくとも、現時点ではこんな感じという程度で問題ありません。

 修士論文は先人の方々の膨大な研究に米粒一粒程度の貢献が出来るか出来ないかの世界です。今までの研究を覆すような画期的な発見である必要はありません(天才でない限り1年弱の研究ではほぼ不可能です)。この米粒一粒の貢献を目指して論文執筆に励みましょう!

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サイト運営者

大人になってから「学ぶ」ことに目覚めた和(なごみ)です。イギリスが大好きで、国内大学院では英国研究を専攻。オックスフォード大学院では開発学部のGlobal Governance & Diplomacy(GGD)コースで修士号取得。英国留学をしてみたい方を心から応援するためのブログを開始いたしました。
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留学経験:オックスフォード大学院 (リンカーン・カレッジ)
趣味:サーフィン、イギリス 映画(007、ダウントン・アビー)

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