オックスフォード大学は39のカレッジで構成されています。学部生・大学院生・教授問わず、どこかのカレッジに所属することが必須です。複数のカレッジ候補を選べるのですが、人気の高いカレッジには入りづらいといったこともありますので、希望とは全然違うカレッジになってしまった!とならないためにも、よく考えてカレッジ候補を選ぶことをオススメします。ちなみに人気の高いカレッジはMagdalen, Christ Church, New Collegeなどなど。お金持ちのカレッジ、金欠なカレッジ等、個性豊かなので、調べるだけでも楽しいですよ。
私が所属していたカレッジはリンカーン・カレッジ(正式名称:The College of the Blessed Mary and All Saints, Lincoln )と呼ばれ、1427年に設立された、長い歴史のある比較的小さめの美しいカレッジです。スタッフもポーター(porter)もとてもフレンドリーで学部生・大学院生と学年に関係なく家族のような、アットホームな雰囲気が漂っています。それでは、リンカーン・カレッジの紹介をさせて頂きます。
スパイの温床!?
実は、知る人ぞ知る、リンカーン・カレッジは、スパイ(MI5・MI6)の勧誘の場として有名です。勿論、これを裏付ける証拠は何もありませんが、英国のスパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレ氏(元MI6)が卒業したカレッジでもあります。実は、私の在籍中にジョン・ル・カレ氏がリンカーン・カレッジにいらして講演をされました。まさか御本人に会えるとは全く思っておりませんでしたが、奇跡のようなタイミングでお会いできました。ジョン・ル・カレ氏が執筆された『寒い国から帰ってきたスパイ』と『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』は私の愛読書であり、ふとしたときに読み返しています。講演の翌年、残念ながらジョン・ル・カレ氏は逝去されました。
カレッジの図書館
リンカーンの図書館は、オックスフォードにある最も美しい図書館の1つとされています。この図書館はもともとは教会でしたが、カレッジが18世紀に教会を買い取り、図書館に改築しました。実は、この改築工事を行っているときに、多くの遺骨が掘り起こされたと言われており、当時は物議を醸したとされています。
大学のメインの図書館は比較的早く閉まってしまうのですが、カレッジの図書館は朝2時まで利用可能です。図書館へのアクセスは、通常、カレッジの在校生とスタッフに限られていますが、ツアー等で中に入ることも可能です。私も最初はリーディング・リストを消化できずに、ココで泣きそうになりながら、文献を読み込んでいたのを覚えています。ただ、これほど綺麗な図書館だと、やる気も出ますし、他の学生が切磋琢磨、勉強に励んでいる姿を見ることで、自分も頑張ろうと思えますよね。
ダイニング・ホール
そしてリンカーン生が食事をする場所はダイニング・ホールです。伝統あるカレッジならではのホールになっています。最近では、映画ハリポタに憧れてオックスフォードに入学する英国人、留学生が多くいます。そこで、カレッジ選びが大変重要になってきます。特に大学院生は最近できたばかりのカレッジも多く、モダンなつくりになっています(ハリポタとはほど遠い食堂)。リンカーン・カレッジは古い歴史あるカレッジのひとつであるため、まさにハリポタの世界の中で食事ができます。私は、朝食は部屋で食べ、ランチでよくこの食堂を利用していました。とても美味しいので、いつも食べすぎてしまうのですが、息抜きになりますし、友人に会えるのでよく利用していました。実は学期中に10kg太ったという人がいるという話も聞いたことがあります。料理の美味しさもカレッジによって様々なので、口コミ等、よく調べてカレッジ選びの判断材料にするのもいいかもしれません。