留学をしたら英語が伸びる、留学経験者なら英語が話せて当然というイメージがあるかと思いますが、コレは残念ながら個人差がとても大きいです。私の知人にも1年留学をして帰国してきましたが、少し話せるようになった程度であまり話せるようになったという感覚はないという人もいます。留学中に確実に英語力を伸ばすにはどうしたらいいか、常に考えながら留学をするのが英語習得の第一歩です。
私は修士課程の中で日本人1人、半数以上が英語ネイティブ、8割がヨーロッパの学生という大学院の中では珍しいコースでした。何が何でも英語を話さないと授業にもディスカッションにもついていけなくなるので、英語を鍛える環境というのは整っていました。環境というのは非常に重要で、アジア人ばかりの修士課程でみんな片言英語で頑張るというコースも実際存在します。自分の学びたいテーマはもちろん、コレに併せて国籍比、ディスカッションの割合等、授業のスタイルを確認して大学選び、コース選びをすることで環境を整えましょう。
英語力を鍛えるといっても色々な英語がありますよね。私は授業準備やディスカッション、プレゼンテーションを英語で行う機会が多かったので「アカデミック英語」は留学生活で特に意識することなく身につけられました。他方で、日常英語やビジネス英語については意識的に学ぶ必要があります。オックスフォード留学中は授業でかなり時間がとられますので、不思議な話かもしれませんが、いわゆる「英語の勉強」の時間がとれなかったりします。限られた時間で今後、英語を使うシチュエーションに合わせて英語学習の比重を計算する必要があります。英語を学ぶ目的は何でしょうか。ビジネスでしょうか。今後学者になるため、アカデミック英語でしょうか。友人と楽しくおしゃべりできるように日常英語でしょうか。それともスーパー・ネイティブを目指しているのでしょうか。自問自答してみてください。
私の場合は日常英語を極めたいと思っていました。もちろん、社会人留学ですのでビジネス英語を習得することは必須です。他方、自分の性格上、実際にビジネスの現場で英語を使わないとなかなか身につかず、学習効率が悪いのがわかっています。ですので、ビジネス英語については、最低限を意識して、ビジネス英語の教材『Business Vocabulary in Use』(Cambridge University Press)1冊をマイペースに読み進めていました。オックスフォードは語学学校がたくさんありますので本屋に行けば語学教材も簡単に手に入ります。
肝心の日常英語ですが、私はNETFLIXでインプットをしていました。もちろん、授業終わりにクラスメイトとランチをしたり、パブにでかけておしゃべりをする中で身についた英語もありますが、メモとかは簡単にとれないですよね(汗)。知らない単語があったら、私はこっそりiphoneのメモ帳にさっと単語だけメモったりしていましたが、「英語の勉強」という意味では、アウトプットの場という認識でした。NETFLIXを英語字幕で観ながら、わからない単語やフレーズが出たらメモをしてオンライン辞書で調べていました。娯楽としてのNETFLIX鑑賞と英語の勉強としてのNETFLIX利用は別物です。英語の勉強ですから、子ども向けのイギリスアニメも真剣な顔で観ていました。例えば、Peppa Pigは綺麗な英語なので何度も観ていました。Horrid Henryもとてもブリティッシュなので良く観ていました。子ども向けとはいえ、知らない単語やフレーズが結構あります。
英会話オンライン『Cambery』も週2回程度利用していました。自分でテーマを決めて予め単語やフレーズを用意します。ここでポイントなのは、普段自分が使わない英単語を無理やり使ってみることです。使い方がおかしかったら、講師の方に修正してもらえばいいですし、他にいい言い方ありますか?と聞いてレパートリーを増やします。地道な作業ですが、コツコツと話せる話題を広めていくことが重要です。私が実際に留学中にしていた英語の勉強を紹介させて頂きましたが、全部オンライン?と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。日本でも出来ますよね?と。そうです。インプットは日本でも出来ますしアウトプットもオンライン英会話が充実しているので可能です。
イギリス留学の良い点は、スーパーに買物いったり、カフェに入ったりする際は全部英語ですし、通りすがりに声掛けられたりします。見知らぬ年配の方から、Hello my loveと言われたり、Fancy a cuppa?と言われたり、生きた英語が実際に使われているのをみると楽しくなります。インプットのない状態で、突然言われてもびっくりするだけだと思いますが、映画で観ていたりすると、あっコレだ!と嬉しくなります。日本にいる間、留学中一人でいる間も、できることはやってしまいましょう。留学中も継続的に勉強を続け、実際の現場でどう使用されているのか確認するということができれば語学学習の観点からも有意義な留学になると思います。