オックスフォード・ケンブリッジの学生の多くがアルコールや薬物の依存症、またうつ病を患っているという話をよく聞きます。それくらいプレッシャーのかかる大学なのでしょうか。この問題はかなり昔から取り上げられており、特にコロナでロックダウン以来、学生の精神衛生は大変重要視されました。どのような薬物を学生が使用するのかというと、学習用薬物です。中で最も人気があるのは、モダフィニル、リタリンで、いずれも集中力や覚醒度を高める効果があると言われています。中毒性はないとされていますが、一部の学生は、課題をこなすために薬に依存する人もいるようです。。世界トップクラスの大学では、ドラッグの需要が非常に高いという話はイギリスだけに限りません。それほど、社会からのプレッシャー、自分への期待などにより、学生は自らを限界まで追い込むのです。実際、オックスフォード生には完璧主義者が多いような印象を受けました。今まで、パーフェクトな成績をとってきた学生たちが、引き続きパーフェクトを目指して潰れてしまうのもよくある話です。のめり込みすぎずに、学びを心から楽しめるといいのですが、コレが難しいんです。私も体調を何度か崩しました。大学院の同じコースを受けていた学生もいきなり大泣きし始めたり、過呼吸になった学生もいました。その学生は、なんとかクラスメイトのサポートがあり、一緒に近くの公園を散歩したりしてリラックスする時間を作ったりし、優秀な成績を収めて卒業しましたので、意識的にリラックスする環境に身を置くことが大事です。


何がこうも学生を思い詰めさせるのでしょうか。オックスフォードの1学期の長さは8週間という短さです。2ヶ月分の絶え間ないストレスが永遠と続くかのような疲労感をもたらすという、学生に容赦ない生活を強いていると主張する人もいます。8週間が短いか長いどう捉えるかは人それぞれですが、私は正直とてもながーく感じました。延々と続くような感覚というのもわかる気がします。それほど、頭に高負荷をかけていました(大学院にはリラックスしたコースも有るようなので一概には言えません)。
Year | Term | From | To |
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2022-23 | Michaelmas 2022 | Sunday 9 October | Saturday 3 December |
Hilary 2023 | Sunday 15 January | Saturday 11 March | |
Trinity 2023 | Sunday 23 April | Saturday 17 June | |
2023-24 | Michaelmas 2023 | Sunday 8 October | Saturday 2 December |
Hilary 2024 | Sunday 14 January | Saturday 9 March | |
Trinity 2024 | Sunday 21 April | Saturday 15 June |
毎学期8枚以上のエッセイや問題集を書き上げ、授業に出席し、講義や研究室、図書館に通い、その上、ソーシャル・ライフを満喫しようとするのは、よく言えば至難の業、悪く言えば不可能なことであり、精神衛生上、負担が大きいことがわかります。8週間の学期は、学生のエネルギーをみっちり搾り取ります。どんなに疲れていても、病気や不幸を感じていても休む余裕はありません。このような環境だからこそ、鬱になったり、ドラッグが流行ったりするのですね。大学側もこの問題を楽観視しているわけではなく、学生のメンタルを第一に考えてサポート体制を整えようとしています。ただ、オックスフォード出身の学生の中には、このような環境で鍛えられたからこそ大活躍している卒業生がたくさんいます。私も留学中に死にものぐるいで勉強をしたからこそ、今があると思っていますし、自分で自分をあそこまで追い込めなかったと思っています。今思えば、ペース配分をもっとしっかりとスべきでしたが。健康を害したら元も子もないですからね。
オックスフォード留学に憧れている方も多いと思いますし、オックスフォードで得られるものは何も代え難い素晴らしい時間だったことははっきり言えます。ただ、向き不向きがあります。正直、全員に千差万別オススメできるとは言えません。どんなに学力が高くても、能力的には十分な実力があったとしても、合わないとその実力が発揮できませんし、むしろ取り返しのつかないような後悔をすることになるかもしれません。もちろん、留学先はご自身が絶対に行きたいと思うところに行くのがベストですが、憧れやイメージだけで留学先を決めるのではなく、何をしたいのか、どういうスタイルが自分にあうのか、自問自答して留学に挑んでいただければ成功も間違いなしです。