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オックスフォード物語 第10話 幽霊の出る街

 オックスフォードは、知る人ぞ知るパラノーマル・アクティビティの宝庫とも言われています。留学生が日常でよく使うBanbury Roadは一見普通の道路ですが、こちらも心霊スポットとして有名です。Hauted Houseのようなお化け屋敷の話は世界中にもありますが、道路や街路の幽霊は珍しいのではないでしょうか。イギリスにはこうした幽霊の出る道が何十本もあり、そのひとつがBanbury Road。
 Banbury RoadにはNapier(ネイピア) という男性の幽霊が出ると信じられています。Napierは、生前、凶悪な犯罪を繰り返し、その悪行はあまりに凶悪であったため、単なる斬首刑では済まされないと判断され、オックスフォード当局はネイピアの手足を切断し、切断された部分を100個の小さな塊に切り分け、市内にばら撒いたとされます。ネイピアは死後まもなく生者の世界に戻り、切り刻まれた自分の体のパーツを探し始めたと言われています。今のところ、切断された頭部はBanbury Roadのどこかにあると思われ、その行方はわかっていません。首のないネイピアの亡霊は、今日もこの地域をうろついていると噂されています。ゾッとしますね。。ただ、私はBanbury Roadの語学学校(Regent Oxford Language School)に短期で通っていたことがあり、何十回も通りましたが、怖い気配も何もない素敵な住宅街です。夜もよく通っていましたが、人通りもありますし、心霊スポットだなんてちっとも思いませんでした。

 The Old Bank Hotelも有名な心霊スポットです。今は5つ星の高級ホテルになってますが、この建物が銀行だったときに超常現象が頻繁に起こっていました。光の点滅、人の声、物の隠蔽など、従業員の日常生活の一部となるほど強烈だったと言われています。また、茶色のロングドレスを着た人物が、建物の端から端まで滑るように移動し、カウンターや壁さえも通り過ぎるのを見たという銀行員もいたそうです。この霊は、The Old Bank Hotelが住居として使われていた時代に家族とともに住んでいたプルーデンス・バーコートと言われています。バーコート家はイギリス内戦中の清教徒の裕福な家で、娘のプルーデンスは騎兵隊に恋をし、その関係を知った若い女性の父親は激怒して彼女を家から追放してしまったのです。それから何ヶ月も、プルーデンスは騎兵隊のパートナーの帰りを待ちましたが、叶わず。このままでは運命の相手と結ばれないと判断したプルーデンスは、幼い頃に住んでいた家で自ら命を絶ってしまいました。彼女の幽霊は今、銀行やホテルなどの建物を徘徊し、恋人である騎兵を捜していると噂されています。
 こんなにパラノーマル・アクティビティが起こることで有名なのですが、「究極の英国ホテル100」に選ばれているイギリスで大人気のホテルになっています。宿泊するには、高級すぎて私は手も出ないのですが、一度だけ、Ground Floor にあるレストランで奮発してランチをしました。料理も飲み物も雰囲気もステキなお気に入りの場所です。幽霊話は忘れて、是非立ち寄って頂きたいオススメの場所です!

  他にも、たくさん心霊スポットがあります。カレッジごとに有名な幽霊がいて、首無しの騎士もいたり。まさにハリポタのほとんど首なしニック(Nearly Headless Nick)みたいな幽霊が、いるということかもしれませんね。私はオックスフォードに2年おり、夜道ひとりで出歩いたりよくしていましたが、幽霊には一度も見たことがありません。ただ、石畳の入り組んだ道にはいると、幽霊を見てもおかしくないなと思うくらい、いきなり肌寒くなったり、ゾッとすることはよくあり、人通りのあるところまで恥ずかしながら猛ダッシュしたことがあります。馬の足音が後ろから追っかけてくるような、幻聴が聞こえたり…これだけ、歴史のある街ですから、幽霊の一人や二人にあってもおかしくないですよね。

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サイト運営者

大人になってから「学ぶ」ことに目覚めた和(なごみ)です。イギリスが大好きで、国内大学院では英国研究を専攻。オックスフォード大学院では開発学部のGlobal Governance & Diplomacy(GGD)コースで修士号取得。英国留学をしてみたい方を心から応援するためのブログを開始いたしました。
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留学経験:オックスフォード大学院 (リンカーン・カレッジ)
趣味:サーフィン、イギリス 映画(007、ダウントン・アビー)

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